――諦めて帰るか。……でもやっぱやりたい。
健全な小学生男子にとって、テレビゲームだのゲームセンターだの漫画だのは、ちょっとエッチな本と同じくらいの誘惑なのだ。いくら週四単位でボディーガードを雇っているたけるだって、そういうものに関心がないわけではない。むしろ大好物だ。
――ちょっとくらいなら、いいよな?
甘い誘惑が、自動ドアの奥で手招きしている。こっちへ来い、こっちへ来いと誘っている。誘いに乗ってはいけないと分かっているのに、気付けば自動ドアの前で停止している自分がいた。
――でも、万が一のことを考えると、ここは素直に帰るべきだよなあー。
入るか帰るか。選択肢は二つしかない。迷いがちな視線は再びポスター内の美少女に止まる。ポスター内には彼女の他に四人の青年キャラがいた。が、そんな奴等はどうでも良い。ウインクしている彼女が一番好みなのだ。
――新キャラなのかな? めちゃくちゃ可愛い。
金髪にピンクの髪飾りを付けている彼女は、顔も可愛いが、何より胸が大きかった。
二次元だからこそ実現できる、素晴らしい大きさだった。戦闘中に揺れる、彼女の豊満なバストを想像してみる。たまらない。
――決めた。やっぱり入ろう。
結局、美少女の誘惑には勝てなかった。色鮮やかな照明と、美少女のバストに誘われるかのように、たけるはふらふらと店内へ入っていった。
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